OVERVIEW
この記事について
前回は全体の順位を見ました。今回は同じ質問を男女・年齢階級別に分けます。すると、順位では見えなかった差がはっきり出てきます。とくに「家事や子育て分担の偏り」は、男女で3倍以上の開きがありました。
この記事でわかること
- check_circle 結婚へのハードルが、男女・年代でどう違うか
- check_circle 結婚より優先したいことが、年齢とともにどう入れ替わるか
- check_circle 「結婚するつもりはない」と答えた人は、何を挙げているか
出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
未婚者を対象として集計。離死別を含まない。
結婚のハードルは「あなたが今後結婚するとしたら、どのようなことが結婚のハードルになると思いますか。以下の項目のうち、あてはまるものをすべてお選びください。」という設問。複数回答。
結婚より優先したいことは「あなた自身の今の生活において、結婚よりも優先度が高いことはどれですか。あてはまるものをすべて選んでください。」という設問。複数回答。
QUIZ
まずはクイズに挑戦
Q.
「家事や子育て分担の偏り」を結婚のハードルに挙げた15〜19歳の女性は、どれくらいいると思いますか?
ANSWER
クイズの答え
答え合わせ
正解は「約40%」でした。
42.5%で、10項目中もっとも高い値です。同じ項目を挙げた35〜39歳の男性は13.4%なので、3倍以上の開きがあります。しかも女性は年齢が上がるほど下がり(42.5%→24.2%)、男性も下がる(31.8%→13.4%)。若い世代ほど、この分担を強く意識しているということになります。
ANALYSIS
データで詳しく見る
結婚へのハードル(男女・年齢階級別)
swipe表は横にスクロールできます
| 質問項目 | 男性 | 女性 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15-19 | 20-24 | 25-29 | 30-34 | 35-39 | 15-19 | 20-24 | 25-29 | 30-34 | 35-39 | |
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 42.9 | 39.9 | 37.6 | 40.5 | 37.4 | 44.0 | 43.6 | 42.1 | 39.2 | 35.5 |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 32.2 | 31.6 | 30.5 | 30.9 | 28.7 | 31.2 | 33.2 | 31.9 | 29.1 | 26.7 |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 33.6 | 34.1 | 33.5 | 32.9 | 30.0 | 37.7 | 34.2 | 36.3 | 37.7 | 35.2 |
| 結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ) | 24.4 | 26.7 | 26.8 | 29.3 | 28.9 | 35.5 | 32.6 | 33.6 | 38.6 | 41.0 |
| 家事や子育て分担の偏り | 31.8 | 23.6 | 18.7 | 18.0 | 13.4 | 42.5 | 34.0 | 29.8 | 28.3 | 24.2 |
| 結婚したいとは思わない | 14.6 | 15.4 | 20.8 | 22.8 | 26.7 | 12.4 | 14.4 | 16.4 | 20.8 | 26.1 |
未婚者が対象。複数回答。緑は各項目の上位3グループ、赤は下位3グループ。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
どの区分でも最上位にくるのが「安定した結婚生活を送れる収入への不安」で、35.5〜44.0%の範囲に収まります。年代や男女を問わず、お金の不安は共通です。
男女差がもっとも大きいのは「家事や子育て分担の偏り」。15〜19歳では女性42.5%に対し男性31.8%、35〜39歳では女性24.2%に対し男性13.4%と、どの年代でも女性が10ポイント前後高くなっています。
「結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ)」は、女性だけ年齢とともに上がります。35〜39歳の女性は41.0%で、収入への不安(35.5%)を上回り、この区分では1位です。
【男性】結婚へのハードル
swipe表は横にスクロールできます
| 質問項目 | 15-19歳 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 43 | 40 | 38 | 41 | 37 |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 32 | 32 | 31 | 31 | 29 |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 34 | 34 | 34 | 33 | 30 |
| 結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ) | 24 | 27 | 27 | 29 | 29 |
| 家事や子育て分担の偏り | 32 | 24 | 19 | 18 | 13 |
| 結婚したいとは思わない | 15 | 15 | 21 | 23 | 27 |
数値で見る
| 項目 | 15-19歳 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 42.9% | 39.9% | 37.6% | 40.5% | 37.4% |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 32.2% | 31.6% | 30.5% | 30.9% | 28.7% |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 33.6% | 34.1% | 33.5% | 32.9% | 30% |
| 結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ) | 24.4% | 26.7% | 26.8% | 29.3% | 28.9% |
| 家事や子育て分担の偏り | 31.8% | 23.6% | 18.7% | 18% | 13.4% |
| 結婚したいとは思わない | 14.6% | 15.4% | 20.8% | 22.8% | 26.7% |
未婚男性が対象。複数回答。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
男性は「家事や子育て分担の偏り」の行だけ、左から右へはっきり薄くなります。31.8%から13.4%へ、18.4ポイントの低下です。
逆に濃くなるのは「結婚したいとは思わない」で、14.6%から26.7%へ。年齢が上がるほど、結婚そのものから距離を置く人が増えています。
収入・住居・自由な時間の3項目は、どの年代でもほぼ横ばいです。
【女性】結婚へのハードル
swipe表は横にスクロールできます
| 質問項目 | 15-19歳 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 44 | 44 | 42 | 39 | 36 |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 31 | 33 | 32 | 29 | 27 |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 38 | 34 | 36 | 38 | 35 |
| 結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ) | 36 | 33 | 34 | 39 | 41 |
| 家事や子育て分担の偏り | 43 | 34 | 30 | 28 | 24 |
| 結婚したいとは思わない | 12 | 14 | 16 | 21 | 26 |
数値で見る
| 項目 | 15-19歳 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 44% | 43.6% | 42.1% | 39.2% | 35.5% |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 31.2% | 33.2% | 31.9% | 29.1% | 26.7% |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 37.7% | 34.2% | 36.3% | 37.7% | 35.2% |
| 結婚したいと思える人がいない(出会いのなさ) | 35.5% | 32.6% | 33.6% | 38.6% | 41% |
| 家事や子育て分担の偏り | 42.5% | 34% | 29.8% | 28.3% | 24.2% |
| 結婚したいとは思わない | 12.4% | 14.4% | 16.4% | 20.8% | 26.1% |
未婚女性が対象。複数回答。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
女性は「結婚したいと思える人がいない」の行が右へいくほど濃くなります。35.5%から41.0%へ。男性(24.4%→28.9%)より一貫して10ポイント以上高い水準です。
一方で「安定した収入への不安」は44.0%から35.5%へ下がります。年齢とともに自分の収入が安定し、不安が和らぐ面もあるのかもしれません。
15〜19歳の列は全体に濃く、6項目中4項目で男性の同年代を上回っています。
結婚より優先したいこと(男女・年齢階級別)
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| 質問項目 | 男性 | 女性 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15-19 | 20-24 | 25-29 | 30-34 | 35-39 | 15-19 | 20-24 | 25-29 | 30-34 | 35-39 | |
| 余暇・趣味を楽しむこと | 52.8 | 49.0 | 45.2 | 48.3 | 47.0 | 57.7 | 50.3 | 50.0 | 53.5 | 52.3 |
| 自分の体調や精神的余裕 | 30.1 | 29.9 | 30.8 | 35.3 | 38.9 | 36.1 | 36.2 | 34.7 | 44.2 | 47.4 |
| 社会的に安定した収入・仕事の確保 | 35.0 | 40.3 | 38.3 | 38.0 | 36.0 | 35.4 | 40.5 | 34.8 | 35.0 | 35.9 |
| 将来への経済的な備え | 24.3 | 28.3 | 28.9 | 30.8 | 30.6 | 24.3 | 28.2 | 28.1 | 29.8 | 30.2 |
| 友人・知人との関わり | 35.4 | 23.7 | 17.8 | 15.0 | 12.8 | 42.1 | 27.9 | 22.2 | 20.4 | 18.0 |
| 家族との関わり・つながり | 27.1 | 20.2 | 17.1 | 16.1 | 14.8 | 34.1 | 28.2 | 22.8 | 23.5 | 24.5 |
| 今の収入・仕事の水準を現状維持 | 15.1 | 19.4 | 19.1 | 22.4 | 21.3 | 13.5 | 17.1 | 20.6 | 21.2 | 21.9 |
| 仕事での昇進・転職・スキルアップ | 20.5 | 22.4 | 20.6 | 19.6 | 16.7 | 18.5 | 19.7 | 16.1 | 14.9 | 11.2 |
| 住みやすさの向上や維持(環境改善) | 16.1 | 16.6 | 15.8 | 17.9 | 17.5 | 14.2 | 16.5 | 17.6 | 20.1 | 21.0 |
| 学業・資格取得 | 39.5 | 22.8 | 12.6 | 10.1 | 8.6 | 41.2 | 19.7 | 10.7 | 8.3 | 7.6 |
| 今自分が持っている仕事に力を注ぐ | 13.5 | 17.5 | 15.3 | 15.4 | 14.6 | 15.1 | 15.2 | 13.6 | 12.8 | 10.7 |
| 社会との関わり(地域活動等) | 10.2 | 9.0 | 7.3 | 6.7 | 6.0 | 9.0 | 7.0 | 5.6 | 5.7 | 4.8 |
| 結婚より優先度が高いことはない | 7.8 | 8.4 | 12.6 | 11.8 | 12.8 | 4.3 | 8.9 | 11.6 | 10.8 | 12.2 |
未婚者が対象。複数回答。緑は各項目の上位3グループ、赤は下位3グループ。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
「余暇・趣味を楽しむこと」はどの区分でも45.2〜57.7%と高く、20区分すべてで1位でした。
年齢とともに大きく入れ替わるのが「学業・資格取得」と「自分の体調や精神的余裕」です。学業は15〜19歳の女性41.2%から35〜39歳の7.6%へ急落し、入れ替わるように体調・精神的余裕が36.1%から47.4%へ上がります。
「友人・知人との関わり」も同じ形で、15〜19歳の女性42.1%から35〜39歳の18.0%へ。10代の優先順位は、20年でまったく別のものに置き換わります。
【結婚するつもりはない人】結婚のハードル
数値で見る
| 項目 | 回答割合 |
|---|---|
| 結婚したいとは思わない | 53.1% |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 27.6% |
| 結婚したいと思える人がいない | 25.5% |
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 23.5% |
| 人との関係性づくり | 20.2% |
| こどもをもつかどうかの価値観の違い | 20% |
| 結婚のための住居や住居資金の不足 | 18% |
| 家事や子育て分担の偏り | 15.5% |
| 年齢 | 13.6% |
| 健康の不安 | 13.2% |
| 周囲の精神的・身体的サポートのなさ | 8.1% |
| キャリアの継続やキャリアアップ | 8% |
| 親との同居や扶養の必要性 | 6.5% |
| こどもの存在(シングルファザー・マザー) | 5.4% |
| 奨学金の返済や学業資金の負担 | 5.4% |
| 親の承諾が得られない | 2.3% |
| その他 | 1.7% |
| ハードルはない | 1% |
「結婚するつもりはない」と答えた人だけの集計。複数回答。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
1位は「結婚したいとは思わない」で53.1%。ハードルを聞かれて、半数が「そもそも望んでいない」と答えています。
2位以降は「自由な時間がなくなる」27.6%、「結婚したいと思える人がいない」25.5%、「安定した収入への不安」23.5%。全体の順位(収入40.0%が1位)とは、並びがはっきり違います。
「ハードルはない」は1.0%。障害がないから結婚しない、というわけではなさそうです。
【結婚するつもりはない人】結婚より優先されるもの
数値で見る
| 項目 | 回答割合 |
|---|---|
| 余暇・趣味を楽しむこと | 59.4% |
| 自分の体調や精神的余裕 | 45.3% |
| 社会的に安定した収入・仕事を確保・維持すること | 34.9% |
| 将来への経済的な備え(貯蓄・投資・保険等) | 29.5% |
| 住みやすさの向上や維持(居住環境の改善) | 20.4% |
| 家族との関わり・つながり | 19.8% |
| 友人・知人との関わり・つながり | 19.5% |
| 今の収入・仕事の水準を現状維持すること | 18.8% |
| 仕事での昇進・転職・スキルアップ | 15.5% |
| 学業・資格取得 | 15.1% |
| 結婚より優先度が高いことはない | 14.4% |
| 今自分が持っている仕事に力を注ぐこと | 14.1% |
| 社会との関わり(地域活動、仕事以外での役割等) | 6.6% |
「結婚するつもりはない」と答えた人だけの集計。複数回答。 出典: こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(令和8年度)
「余暇・趣味を楽しむこと」が59.4%で、全体(50.8%)より8.6ポイント高くなっています。2位の「自分の体調や精神的余裕」45.3%も、全体(37.7%)を7.6ポイント上回ります。
「結婚より優先度が高いことはない」は14.4%。結婚するつもりがない人のなかにも、1割以上は「とくに優先したいものがあるわけでもない」人がいます。
SUMMARY
まとめ
- check_circle 収入への不安はどの区分でも上位。ここは男女・年代を問わない共通点
- check_circle 「家事や子育て分担の偏り」は女性が男性より10ポイント前後高く、若い世代ほど強く意識している
- check_circle 「結婚するつもりはない」人は、趣味と心身の余裕を全体より強く優先している
同じ「結婚のハードル」という言葉でも、中身は男女でも年代でも違います。相手が何に引っかかっているかは、聞いてみないと分かりません。